Main research projects currently underway
Hiroshi Hakoyama
現在進めている主な研究の紹介
淡水生物学研究所では、施設・設備を十分に活用し、(1)千曲川流域の自然を対象にした研究、(2)ドイツ、アジア-パシフィックを中心に国際・全国研究教育ネットワーク拠点、(3)施設を利用した生物学の先端研究や増養殖技術の振興の3つを中心とした活動を特色として研究を進めています。現在のところ具体的には外部資金を中心に次のような活動しています。
千曲川再生に向けた河川生態学的研究.
生態学・情報科学と河川工学等を組み合わせた学際的アプローチで淡水生物学研究所に所属する研究者と河川管理者が、千曲川流域をフィールドとした学官共同研究を行い、今後の河川の整備や管理の高度化・合理化及び河川環境の向上に貢献します(国土交通省、河川砂防技術研究開発地域課題)
ニホンウナギの資源学的研究 (ニホンウナギユニット).
ウナギ資源の動向把握・絶滅リスク・池入れ管理について、数理モデルを枠組みの中心に、漁獲量・集団遺伝・衛星タグ回遊調査をデータとして、管理手法の開発と分析を行います(水産庁事業費)
動物の個性の研究.
動物にも遺伝や環境の違いからさまざまな個性があります。また、大胆な個体は攻撃的であるなど、形質の間の相関も見られ行動シンドロームと呼ばれています。遺伝と環境を厳密にコントロールし、混合効果モデルなどによる精緻な統計分析をすることで、動物の個性のパターンを適応的な観点から解き明かそうとしています。
フナ類の有性型と無性型の共存に関する研究.
地域特産のフナの資源減少に着目し、研究室の池や実験施設を活用し、フナの個体群動態や遺伝子交換のメカニズムを研究することで、フナの共存の仕組みを解明します。
外部競争研究費
Hiroshi Hakoyama
外部競争研究費獲得実績
2019–2024年度 淡水生物学研究所の競争研究費獲得実績は総額約6億円(長野大学に直接経費3億3,850万円、間接経費6,389万円)
総額
年度 |
水産庁委託費(万円) |
水産庁補助金(万円) |
国交省(万円) |
合計(万円) |
2019 |
14,707 |
2,892 |
|
|
2020 |
5,913 |
2,314 |
|
|
2021 |
5,963 |
2,314 |
500 |
|
2022 |
4,641 |
2,314 |
1,487 |
|
2023 |
4,780 |
2,314 |
1,487 |
|
2024 |
4,328 |
2,314 |
1,487 |
|
合計 |
40,332 |
14,462 |
4,961 |
59,755 |
長野大学配分
年度 |
水産庁委託費(万円) |
水産庁補助金(万円) |
国交省(万円) |
合計(万円) |
2019 |
10,023 |
1,617 |
|
|
2020 |
2,806 |
1,529 |
|
|
2021 |
3,839 |
1,529 |
142 |
|
2022 |
3,565 |
1,565 |
930 |
|
2023 |
3,622 |
1,668 |
1,144 |
|
2024 |
3,275 |
1,841 |
1,144 |
|
合計 |
27,130 |
9,749 |
3,360 |
40,239 |
2019年度からの6年間、淡水生物学研究所の外部競争資金獲得額は長野大学全体の外部競争資金獲得額の約74%(2019-2024年度の長野大学への配分額の平均)、研究費総額は設置自治体から長野大学への運営費交付金の約39%にあたります(2019-2023年度の研究費総額の平均)。淡水生物学研究所の研究員と研究支援員はすべて外部競争資金で雇用されています。一般管理費は研究所の光熱費の約90%をカバーし、間接経費は下之郷キャンパスの契約職員の雇用費などに使われています。