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予測、実証、モデル構築

箱山 洋

特集:生態学におけるモデル選択の総括として、3つの論点を議論した。第一に、予測において問題とする自然現象(確率変数)を明確にすることの重要性について論じた。第二に、自然の構造の科学的証拠を得るためのモデル選択の規準を論じた。サンプルサイズが小さい場合、AICは真のモデルの構造から遠いモデルを選ぶ傾向があり、科学的証拠としては弱点がある。近似による不一致は、サンプルサイズによらない真の分布と近似分布の乖離であることから、その推定量を科学的証拠のための規準として提案した。第三に、豊かなモデル構築の方法論と適切なモデル選択の規準が、データから有益な情報を引き出すことを、まとめとして論じた。

Key Words: モデル選択, 科学的証拠, AIC, Linhart--Zucchini Criterion