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スジエビPalaemon paucidensの2タイプを判別するためのDNAマーカーおよび日本における2タイプの分布

張成年, 今井正, 池田実, 槇宗市郎, 大貫貴清, 武藤文人, 野原健司, 古澤千春, 七里浩志, 渾川直子, 浦垣直子, 川村顕子, 市川竜也, 潮田健太郎, 樋口正仁, 手賀太郎, 児玉晃治, 伊藤雅浩, 市村政樹, 松崎浩二, 平澤桂, 戸倉渓太, 中畑勝見, 児玉紗希江, 箱山洋, 矢田崇, 丹羽健太郎, 長井敏, 柳本卓, 斎藤和敬, 中屋光裕 and 丸山智朗

スジエビには遺伝的に異なる2タイプ(AとB)が知られているが,簡便に判別できるマーカーがない。18S rDNAの塩基配列に基づき,これら2タイプを判別するマルチプレックスPCRアッセイを考案した。日本における本種の分布範囲を網羅する152地点で採集した422個体を分析したところ,各タイプ特有の断片を併せ持つ個体,すなわちヘテロ型は観察されず,AとBタイプは生殖隔離しているものと考えられた。両タイプとも全国的に分布するがAタイプは河川及び湖沼に分布する一方,Bタイプは河川のみで見られた。

Key Words: 18S rDNA, Palaemon paucidens, 分布, マルチプレックス PCR, スジエビ, タイプ判別