次世代シーケンサーでニホンウナギの集団サイズの分析を進めています
次世代シーケンサー(Next-generation sequencing, NGS)というのは、ゲノム配列を高速で解読できる遺伝子分析の最先端の機器です。淡水生物学研究所では、イルミナ社のNextSeq 550という機種を保有しており、Faulks研究員・藤森研究支援員・Daryani研究支援員が中心となってニホンウナギの遺伝子配列を大量に読み取る分析を行っています。
図にあるように、ニホンウナギの稚魚(シラスウナギ)は大きく減少しており、IUCNでは絶滅危惧種に指定しています。ウナギの養殖はこの天然のシラスウナギを養殖池に入れるところから始まるので、養鰻のためにもシラスウナギ資源を守っていく必要があります。ウナギの資源管理・保全にはさまざまな方法を用いてニホンウナギの個体群(集団)の状態を把握する必要がありますが、NGSで遺伝子を分析すると、ある種の集団サイズ(有効集団サイズ)というものが推定できるのです。
この研究は、水産庁の水産資源調査・評価推進委託事業(委託事業)として、長野大学淡水生物学研究所がリーダーとなって、全国35の大学・県水産研究所などの試験研究機関と連携して進めている研究プロジェクトの一環です。