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衛星タグによるウナギの回遊調査を行いました

IFB

長野大学・淡水生物学研究所は、2021年12月9日に浜名湖沖においてポップアップ衛星タグによるニホンウナギ産卵回遊の追跡調査のための標識放流を行ないました。調査では浜名湖で漁獲された体重1kg程度(最大1.2kg)の銀ウナギ5尾にポップアップ衛星タグを装着しました。これにより水温・水深の連続的な行動記録と産卵回遊の移動経路の測定を行います。

この調査研究は、水産庁の国際水産資源変動メカニズム等解析事業(ウナギユニット:ユニットリーダー箱山 洋長野大学教授)において行なっているものです。ニホンウナギは、2013年には環境省が絶滅危惧IB類に、2014年にはIUCNが絶滅危惧IB類に指定するなど絶滅の懸念が示されています。また、近年のニホンウナギの漁獲量減少は国際的な問題となっており、CITESでの検討、水産庁が進める国内管理施策や国際的な資源管理体制の構築(ウナギの国際的資源保護・管理に係る非公式協議)での科学的な知見の蓄積が求められています。こうしたなか、産卵回遊を追跡して、ニホンウナギの生育場と産卵場を結び、再生産に寄与する親ウナギの由来(生息場)を特定することが資源の構造を理解するうえで重要なテーマの一つとなっています。

調査に用いた銀ウナギは浜名湖の魚介仲買業者海老仙から提供されたものです。浜名湖におけるウナギ資源保全の取り組みの一つとして、浜名湖発うなぎ放流連絡会による放流事業が行われており、本研究は浜名湖からの放流効果を確かめるうえでの基礎資料となると期待されています。

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