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ニホンウナギ用のアルゴス衛星を利用したポップアップ電子タグの改良および調査の第一回研究打ち合わせが行われました

IFB

2022年4月4日に令和4年度国際水産資源変動メカニズム等解析事業(補助事業)で行なっているニホンウナギ用のアルゴス衛星を利用したポップアップ電子タグの改良および調査の研究グループの第一回ミーティングが行われました。長野大学淡水生物学研究所の箱山教授がリーダーとなり、淡水生物学研究所、九州大学、信州大学工学部、(有)リトルレオナルド、熊本県水産研究センター、宮崎県内水面振興センター、水研機構が研究協力して進めているプロジェクトです。

ニホンウナギの生育場と産卵場を結び、再生産に寄与する親ウナギの由来(生息場や死滅回遊地域)を特定することが資源の構造を理解するうえで重要です。また、産卵場まで至らない産卵回遊のトラッキングであってもCITES, IUCN, FAO、ウナギの国際非公式協議などで求められているウナギ資源の基礎的な知見の一つです。衛星タグを用いた産卵場までのトラッキングは大型のアメリカウナギやヨーロッパウナギでは成功していて、国際的にも有力な手法となっています(Beguer-Pon et al., 2015. Nature Comm., Righton et al., 2016. Sci. Adv.)。 しかしながら、体重の小さなニホンウナギにおいては、現在のところ衛星タグでの生育場と産卵場を結ぶ長距離の移動モニタリングは確立しておらず、衛星タグ調査手法の改良および調査による知見の収集と蓄積が現在の課題となっています。

このような背景から衛星タグの改良およびそれを用いた調査に関する研究を行なっています。回遊調査では、ウナギの衛星タグを用いて、複数の生息地での調査を行い海洋の移動データを取得します(長野大学、熊本県、宮崎県、九州大学)。さらに、新たに小型で負担の小さいニホンウナギ用のアルゴスポップアップ衛星タグの改良を行います(信州大学、リトルレオナルド、長野大学)。最終的には2,500km先の産卵場への移動に耐える衛星タグ調査を目指しています。

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