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第4回IFBセミナー

岸野洋久

淡水生物学研究所会議室で第4回IFBセミナーが開催されました。

演題:分子進化と表現型進化

講師:岸野洋久

所属:中央大学客員研究員、東京大学名誉教授

要旨:表現型は環境に適応して変化します。時として収斂進化もしますので、表現型の進化を正しく推定するのは容易ではありません。そうした中、ゲノム情報が、分子進化速度と遺伝的多様度という形で有力な説明変数となってきました。分子進化速度は突然変異率と遺伝子にかかる機能的な制約に影響されますが、機能的な制約の系統間の変動に注目します。それは多数の遺伝子の分子系統樹から抽出されます。哺乳類の祖先が夜行性から昼行性に変わるに伴い、聴覚や嗅覚、触覚などのセンサーが弱まったらしいことや、ヒトでは感染症に関連する遺伝子の重要度が増したらしいこと、植物が分化・拡散する過程で、ある局面では種々の刺激へ応答し、別の局面では光合成能を増したり、花の発生が影響を受けたりしたらしいことなど、語りかけてくれます。セミナーではこの面白さをお伝えしたいと思います。