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第5回IFBセミナー

津田吉晃

淡水生物学研究所会議室で第5回IFBセミナーが開催されました。

演題:遺伝データ+αで考える野生生物の保全管理

講師:津田吉晃

所属:筑波大学山岳科学センター菅平高原実験所 准教授

要旨:遺伝・ゲノム解析技術の急速な進展により、技術的には遺伝子~個体~集団~生態系レベルで遺伝的多様性評価はこれまでになく高解像度に評価できるようになり、環境DNAも強力なツールとなってきた。しかし、生物多様性条約を締結している約200カ国・地域でさえ、遺伝的多様性への対応は未だ不十分であること(Hoban et al. 2021)、保全遺伝学分野ではアカデミアと現実社会に乖離があること(Shafer et al. 2016)なども指摘されている。特に野生生物の保全管理では、SNS等の普及もあり、様々な価値観を簡単に発信・共有できるようになり、それらも考慮した社会合意形成が必要になってきた。本セミナーでは私の研究室で進めている魚類の遺伝的多様性研究だけでなく、植物、哺乳類、昆虫などでの研究も紹介しながら、野生生物の保全管理にどのような遺伝データ+αが必要か議論する。