国土交通省の研究プロジェクト「河川における生息地連続性の重要性-河川生態系への影響評価及び保全方策に関する研究」の成果報告会が行われました!
2022年12月19日(月)、国土交通省・河川砂防技術研究開発・河川生態一般研究の研究グループ(研究代表:箱山 洋教授)の成果報告会が行われました。千曲川河川事務所、信濃川河川事務所(雪の為欠席)、長野大学淡水生物学研究所5名、長野県水産試験場2名、信州大学4名の参加があり、今年度の研究成果について報告を行いました。
今年度も、大変興味深い結果が得られています。報告会では新しい成果について発表と活発な議論が行われました(淡水生物学研究所:(1)千曲川・信濃川水系全域および上田市内の水系における環境DNAもしくは電気ショッカーによる魚類調査やネオニコチノイド等農薬の水質調査、(2)河川の水中の礫の表面のバイオフィルム(微生物群集)の代謝分析、長野県水産試験場:(1)台風19号後のコクチバスの減少とウグイ・オイカワの増加、(2)ブラウントラウトのイワナ生息地への侵入に対する河川工作物の影響、信州大学:(1)千曲川の河道特性の過去と現在、(2)魚道・水路等における魚類の移動・種判別に自動化したカメラ観測デバイス開発、(3)水生昆虫の出水攪乱に対する応答)。
研究グループでは、千曲川・信濃川水系をフィールドとし、信濃川全域の大きなスケールと、上田市周辺のローカルスケールでの研究を行うことで、河川生態系における攪乱や河川工作物の存在が、生息地の連続性、さらには個体群・群集の健全性・持続性に与える影響を明らかにしようとしています。生態学を中心とした数理モデル・ゲノム分析・フィールドワーク・河川工学の学際領域研究で、千曲川ひいては全国の治水行政に役立つ成果を出し、流域治水・多自然型河川管理へ貢献していきたいと考えています。