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第9回IFBセミナー

宮竹貴久

演題:不妊化法による害虫根絶とポリアンドリーの進化:抵抗性メス進化か乱婚メス出現か?

講師:宮竹貴久

所属:岡山大学 教授

場所:長野県上田市小牧1088淡水生物学研究所会議室

オンライン配信あり

登録URL:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSc2yWQxAk7x-LNy8JyP96SA2YNQPER6niIEn2gsGPO2ubSbtA/viewform?usp=dialog

要旨:侵略的外来昆虫で農作物に甚大な被害をもたらす虫のうち植物防疫法で指定されているものを特殊害虫と呼ぶ。特殊害虫であるウリミバエを根絶するため1971年より不妊虫放飼法(=不妊化法)が始まった。毎週、1億匹の不妊ミバエをヘリコプターから散布し、1993年、ついにウリミバエは日本から根絶された。根絶間際になって沖縄本島の一部地域で、不妊オスを識別するメス(抵抗性メス)の出現を示唆するデータが公表されたが(Hibino and Iwahashi 1989, 1991)、国と県は絶大な量の不妊虫を、野生虫の残存する地域に緻密に散布することで完璧に根絶させた。そのため不妊オスを識別できるメスが進化したのだろうか? という疑問が残された。そこで私は学生とともに、岡山でも飼育が可能なコクヌストモドキという甲虫を使って、不妊オスと正常オスをメスに晒す実験区と、正常オスだけをメスに晒す対照区で継代飼育を15世代以上重ねて、メス形質の世代による変化を測定した。本セミナーでは、その結果について報告し、議論を試みたい。

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