淡水生物学研究所の教育と地域貢献

生物学は面白い!

淡水生物学とはなんでしょう？淡水生物学とは淡水域の生態学・データ科学を中心とした複合新領域科学であり、生態学・行動生態学・水産資源学・増養殖学・保全生物学・進化生物学・環境科学・防災・河川工学などの学問分野が連携し、広く淡水域を扱うマクロ生物学（個体レベル以上の生物学）であると私たちは考えています。淡水生物学研究所のプロジェクト研究では、実際に異なる分野の研究者が協力して水産資源管理や流域生物保全に資する応用研究を進めるとともに、淡水研の教員の専門である生態学について、共存機構の解明など複雑な生物間の相互作用を理解する研究、生物の形質を進化や適応の観点から明らかにする研究など、未知の自然を解き明かす基礎研究を行っています。このような幅広い研究の特色と専門性を生かして、長野大学の学部生向けに、「生物環境学特別講義」・「生態学（講義）」・「淡水生物学実習」の3つの授業を開講しています。研究を通した教育は効果的です。学生は、先端の研究に触れ、決まった解法のない多様な自然を統計学や数理モデルを用いて研究する中で、自ら問題解決する力を身につけることができます。

産官学連携による社会貢献

産官学連携による社会貢献とは、経済活性化だけでなく、地域コミュニティや福祉・環境問題といったより広い意味での社会全体の発展への寄与であると言われています（産学官連携の意義～「知」の時代における大学等と社会の発展のための産学官連携）。そうした意味での社会貢献として淡水生物学研究所は、その専門性を活かし、千曲川を中心とした生物・自然の研究・教育を通して、地域の環境保全・政策提言・産業振興・市民相談・人材育成に貢献したいと考えています。特に力を入れているのが、高大連携と千曲川の流域治水における生物保全への貢献です。高大連携は、高校生の探究学習や生物部の活動をサポートし、生物学・進化学・環境学等に関する教育を行なっています。国土交通省千曲川河川事務所が進める千曲川の流域治水は、地域の防災・治水の為に重要な事業です。淡水生物学研究所では、この千曲川の流域治水における生物多様性の保全にプロジェクト研究や委員委嘱を通して貢献しています。

千曲川・信濃川研究グループ（国土交通省河川生態プロジェクト研究）
高大連携
施設利用
委員委嘱
招待講演